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『大阪にて』 |
去年の暮にお誘いを受け、初めて大阪の展示会に参加させて頂くことになりました。
開催日は2日間とはいえ、前日のセッテング、そして最終日のあと片づけで結局3泊4日になります。
必要なサンプル、DVD用のテレビ、プレーヤー、そしてパネル等は前もって送っておき、午後1時過ぎに会場へ着いたらすでに準備は始まっておりました。
パネルを提げ、テレビとプレーヤーをセットしてDVDもテストし、他の荷物を確認して地下鉄でホテルへ向いました。
そこは駅舎の上にあり、デパートや飲食店などがあって7階から上がホテルとなっておりました。
13階の部屋からは近くに線路があって左右に行き交う電車が見降ろせます。
東京での展示会では、疲れもあって帰りにホテル1階のコンビニで酒と弁当を買って部屋で食事をしていましたので、今回は家にあったお酒の缶詰を2本持ってきたのです。
そして夕方部屋を出て見つけました。デパチカがあったのです。
天ぷら、煮魚、焼き鳥、とんかつ、ハンバーグ、中華料理、押し寿司に握り寿司、京料理の見た目にも美しく美味しそうなお重まで。違いはコンビニには必ず置いてある電子レンジが無いのです。
今日はお昼を食べ損ねたので、と思いながらも迷いに迷って結局大きな声で「揚げたてのハンバーグどう?」と勧められた伯母さんからハンバーグ1枚と焼肉弁当を買って、テレビを見ながらのデナ―です。
翌日は「鯖の煮付け」と「稲荷2個、海苔巻3個」の寿司弁で。
3日目は酒も無くなったし、最後の夜だから、と駅周辺でと思いブラブラして気ついたことは「立ち飲み」の居酒屋が何軒かあったことでした。しかもこの時間帯でもあり盛況なのです。
入りきれなくて店の前の通りで飲んでいる人の姿もみえました。
その内の1軒から一人店を出られたので、すぐに入りました。
狭いL字型のカウンターでどうやら10人は立てそうな店、カウンターの高さもかるく肘が置けそうで下に鞄が入る棚がありました。
カウンターの中はおでん鍋や什器等で窮屈そうに若い女性2人と男性1人。
「生ビール」「焼酎紅茶割」「熱燗」声が掛かる度に元気に復唱してすぐ出してくれます。
つまみも「焼き鳥」250円「おでん各種」100円から200円。仲間の客は2人一組、ほかは皆私同様1人、違うのは私以外みな常連と言う感じでした。
一人1000円から1500円の客が多いように見受けられました。
私もお酒1本他で1100円で結構楽しい経験でした。次にもう1軒と思い今度は椅子席をさがして入った店。
カウンターだけで入口に近い所しか空いてないのでそこで「お酒ください」献立表が目の前に。
「摘まみは何にしましょうか」
50代位のおばさん。
「鯨のお作りとこの『お化け』とは何ですか?」説明を聞いて納得し「下さい」
隣の2人組のおじさん達の会話に耳をすまして。
「京都はね、春来たって大した所無いよ。夏は一番悪い、大阪なんてもんじゃないよ。盆地でな、暑いの何のって大変だよ。京都はやっぱり秋だよ。そのかわり人出は多いしホテルもすぐには取れないよ。でも一見の価値ある所がひしめいてるよ。そしてお土産といえば「八つ橋」これが京都の味ですよ。私は今、大阪に住んでますけどね、10月、11月の休日はいつも京都へ行ってます」
所は大阪。地方の居酒屋でのお話です。 |
樋山忠明 |
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