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【年に一度の温泉旅行】 |
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毎年の行事としてM夫妻と2夫婦の温泉一泊旅行、その日がきた。
去年は長野の安曇野のホテルだったが、今年は普通の温泉旅館にした。妻がもう歳なんだから遠出はやめて、と言うので群馬県の四万温泉に決めた。時節柄料金も安くて良い所にしてよ、との注文迄ついた。インターネットで調べると、色々な企画で料金もいろいろ。
その中でちょっと目についた安い宿。「布団の上げ降ろしはお客さまでやって頂く事、自分達で出したゴミはお持ち帰り頂くこと。その分料理に還元して夕食も朝食もお部屋でどうぞ」 その程度の負担で料金が4人一部屋でおひとり様8,500は安い。去年の費用の半分だ。
そんなところも有って良いし、それにお食事処へ連れ出されないこともゆったりできて良い。部屋も川添えの眺めもよさそうな感じだ。
お迎えにいく前に30分位遅れると連絡しておいたが、いつもの通り、主人はもう家の前に立っておられた。
一泊旅行でしかないというのに、沢山の荷物がトランクへ運び込まれる。
主人は私の隣、奥さんは後部座席で妻と一緒。すぐにおしゃべりが始まる。
私はそれより旅館へ着くまでの時間の使い方に考えが定まらず、思案していた。Mさんは7年前に脳梗塞を患い、右半身がちょっと不自由で、階段や長い歩行は出来ない。
そういえば今は水上温泉の名前もあまり聞かなくなったが、以前は招待旅行や仲間や、職場の旅行で何回か泊ったことがある。今はどんなになってるかな、ちょっと興味があったので高速を水上インターで降りて温泉街へ向った。広い道も出来ており大きな建物「道の駅」もあった。やがて狭い路地へ入って温泉街の風情が味わえる。泊り客も帰った午前中は全く静かで夕方から夜にかけての賑わいは感じられない。変わった。否変わらずに当時のままのホテル、旅館の形かも知れない。でも今見た風景は自分が来たころの華やかさが感じられない。もっと威風堂々とした凛々しい風格があったようにも思う。結局どこも寄らずそのまま沼田へ向い昼食に「手打ちざる蕎麦」を食う。アナゴの天ぷらは生蕎麦店では始めてだった。
四万温泉へ向って走る。チェックインにはまだ早い。広い道、トンネルの幾つかを通って四万川ダムへ着く。ダムの水位は低くそれが、そう裏磐梯の五色沼と同じブルーで遠く迄続いていた。そして3時もうよかろう。
旅館は前が駐車場で玄間へ入るとスリッパーに履き替えて、部屋は階段を下りて直ぐの処。
隣が大浴場となっていた。Mさんの事を伝えておいたので気を利かせての部屋であったらしい。眼下に川は流れ緩やかな流れにも関わらず、激流のような響きがあった。
ひと風呂浴びて夕食となる。大きな膳がテーブル上に4つちょうど当てはまる。
最初は生ビールを注文し、乾杯。これは珍しい。さくら肉の刺身、牛の一口ステーキ、トンシャブ、鳥肉の入ったケンチン汁。4種類の動物を食すとは。以外に思ったのは茗荷を天ぷらはじめ、随所に使われていた。なにを食っても拙い事知らずでビールも手伝ってみんなたいらげ、食事にご飯と太めのうどんがあり、まずうどんを茗荷の薬味ですすり、ご飯も少しと言いながら一杯は平らげてしまう。よう食うわ。
帳場へ電話して膳を引取って頂き、押し入れから布団をだしてみんなで敷いた。マットレス、布団、敷布、枕に枕カバー、掛け布団に布団カバー。みんなでやればあっという間におわってしまう。二人のご婦人は貸切露天風呂へ行く。
さて明日はどこで時間をつぶそうか。ガイドブックを見ても決めてがない。行きあたりばったりで行くか。 |
寄稿N.N |
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