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【元旦参り】 |
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大晦日からの2年参りはここ数年近所の八幡さまで済まして、越後一の宮弥彦神社の参拝は元日の朝にきめている。それもお雑煮の餅の前である。空は晴れて道路の雪も心配無し。
こんな日は早く行かないと車の渋滞で時間が読めなくなる。初めて一緒に行きたいと妻がいうので息子と顔を見合わせた。これは出発時間がちょっと遅くなる?
準備のできるのを内心いらいらしながら待つ。そして出発。途中で合流する車が増えてくる。時計は9時をちょっと過ぎていた。流れはスムースに行ったが思う駐車場は満車でしかも空きを待つ車が並んで待っている。仕方なくちょっと離れた駐車場へ入れて神社の参道ヘ向った。驚いた事には随身門から先は行列だった。どちらからかは知らないが、よくぞお出でになったと感心したりして行列について行く。
時間が早いせいか正月の晴れ着の女性は見られなかった。それにしてもみんなお雑煮を食べて来たのだろうか。余計なことを心配したりして、自分は早く帰ってお餅を食べたいのだ。
本殿の階段いっぱいに白い布が敷かれて特設の賽銭箱が出来ている。そこへ硬貨が投げ込まれる。
参拝をすましていつものように大勢の参拝客に取り巻かれている臨時の売店でお札を求めて帰路についた。神社へ向う車が渋滞とまではいかないが続いている。駐車場ではさぞ混雑していることだろう。
これで元日のやるべき事はすんだことになる。
テレビで各地の状況など見ながら雑煮を待つ心、早く餡こ餅が食べたい。
そして妻が「お待ちどうさま」とテーブルへ運んでくれた餅、はやる気持ちを抑えて神様と仏様に上げてお参りしてから食べるのだ。
今年最初の餡ころ餅はそれがスーパーの餅であっても構わない。美味しい。
でも、あの時の餅には叶わない。あれは予想していないこともあったが美味かった。
何年前になるだろうか、N夫妻と妻と4人で福島県の田舎町、町営の温泉宿で泊った朝のことである。9月の中頃なのにロビーで臼と杵で本格的にお餅をついていた。泊り客の子供を誘って手を添えさせて、掛け声掛けて賑やかに微笑ましい光景であった。
暫くは一緒に眺めていたけれど朝飯に気も急いて食堂へ入った。
どこもお決まりの朝の膳がテーブルに設えてあった。
土地の野菜が幅を利かせてみんな美味しく戴いた。その時
「皆さん、お餅はいかがですか。つきたての美味しいお餅をどうぞ」
お皿に丸いふくよかなお餅が1個、餡もきな粉も、砂糖にみんな用意してあり、好きなものが食べられるようにテーブルに載っている。
勿論、餡こ餅だ。1皿戴いてテーブルへ戻り、まだ温かい餅を餡をつけて口へ運ぶ。
つきたての餅にしかないこの硬さ、でも引けば延びるんだ。これだ。口のなかでも感触を楽しんで1個はぺろり。お皿を持って入口へ行ったらまだある。
「もっと戴いて宜しいでしょうか」「どうぞ、どうぞ食べられるだけ何個でも食って下さい」
その気になって今度は2皿戴いて帰ったら、妻にあきれられたけれど「お前も1個食ってみろ」と言ったら1皿持ってきて「いや、これは美味しいね」
Nさん夫婦も連れられてみんなで食った。そして「これは美味い」
それにしてもご飯を戴いた上に3個も食べてしまったことには苦言を頂戴しても仕方ない。でも本当に美味しかった。やはり餅はつきたてに限るということか。 |
寄稿T.T |
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