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【雪を見て思い出した雪の無い頃の雪国の宿のこと?】 |
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今年の冬は、去年の11月に降雪を見た頃から、例年通りに云われている“暖冬”ではなくてことによると“大雪”になるんじゃないか?と不安を感じておりましたが、私の新潟市は59年ぶりの豪雪に見舞われ大変な年の幕開けとなってしまいました。
雪国、新潟といってもこの新潟市は例年、雪降りの日もありますが、朝起きて真っ白であっても日中は道路に雪はみえず、屋根の上、木々の枝を白くかざる程度でございました。
それなのに今年は、積雪81cm、空港は除雪作業が間に合わず3日間閉鎖、JRも運休し、車もあちこちで立ち往生、埋もれた車の中で排気ガスの一酸化中毒で亡くなられた人も。
豪雪地域であれば防備もそれなりにあり除雪作業もされて防げた事故だったでしょう。
その意味から新潟市は雪国にあって「雪国」ではない、といっても良いのではないでしょうか。
立春は過ぎても冬はまだ続きます。雪国の雪国は今いかに?
そういえばあの娘は今どうしているだろう。結婚して子供をみてるかな。それともまだあのホテルで頑張ってるかな。雪の頃が一番忙しい温泉地、私たちが3歳の孫をつれて家族5人で泊った日は紅葉が進みはじめた雨の土曜日でした。若い仲居さんに案内されて部屋へ入り、挨拶から非常口まで一通り説明をおえて
「どちらか見学していらっしゃいましたか」「じゃ明日はゆっくりのお立ちで、晴れますようにお祈りしましょう」
そこで私が
「あなたはこの街の人?」とたずねますと
「ちょっと離れていますけど○○です。今はこのホテルの宿舎で。お休みの日には家へ帰ったりしますけど。そうそう私の家では牛を2頭飼っているんですよ」
お茶を入れながら笑顔で話すかわいい仲居さん。
夕食の時も一人でテーブルへ何度も何度も料理を運び、テーブル上の固形燃料のコンロに
「火を点けてもよろしいでしょうか」
「どうぞ、でもね、一人1個のコンロなら演出としても良いと思うけど、2個もあるなんて厨房の手抜きじゃないの」と私が冗談半分で云ったら
「私もそう思って料理長に聞いたんです。そしたら美味しいものを一番美味しく食べて頂くにはこれが一番なんだ。と言われたんです。どう思われますか」
ごゆっくりどうぞ。と下がってからも出来たての料理をならべて説明して必ず、ビールを注ぐことを忘れない気のつく人でした。
朝、バイキング会場で席へついて見回したら、昨日の若い仲居さんが食事の終わったテーブルの片付けなどで動きまわっていました。
「○○さん!」と声をかけたら、にっこり笑顔でこちらを見て、テーブルまできてくれました。
「お早うございます。おいでになったら私の方から先にご挨拶しようと、入口に注意していた積りなんですけどすみません。今日はよいお天気になるそうですよ」
旅の楽しさ、それはどこでもそう、人と人との触れ合い、それに勝るものはないでしょう。
スキーシーズンたけなわのこの温泉地、毎日はりきって新しいお客様に感動を与えているのでは。でも考えてみたら10年、といえば一昔前のことだったのです。
でも私にはつい昨日のことのように、初々しい仲居さんの立ち居、ふるまえが目にうかぶのです。
私たちにとって招かざる客(雪)がとりもつ市場があって、今日も賑わって新しい人生ドラマが繰りひろげられていることでしょう。 |
寄稿Y.S |
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