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【どんぐり屋】
『急性脳梗塞にたおれて』
 「社長、Nさんが倒れた事知ってます?」突然の電話で驚いてしまいました。
 「エッいったいどうしたの?」
 「夜、テレビ見ていて急におかしくなって救急車を呼んだそうだよ。急性脳梗塞とかでね、2,3日が良いとこだろうと言われたけど、良くなりはしないんだけど持ちなおしているようだって。でもね、お見舞いに行っても誰か分からないらしいよ。私は明日行ってくるから結果報告いたしますよ」
 去年の秋、埼玉へ仕事で行った時ちょっと寄ってお話した時はまだ元気で、ただ仕事は社員に任せて引退したいとは言っておられました。
 「樋山さん、70といっても80に近い70代なんだから貴方とは違いますよ。もう疲れた。根が続かなくなっちゃってね。Y君にはみんな教えてあるし、もう私がいなくても心配無い状態なんですから」傍らで奥様も「お父さんそうだよね。私が前から言い続けているんですが、いつも返事だけ。なかなか辞めてくれないんですよ。これからはのんびり旅行したり、よそ様のように、暮らしたいって言うんですが、お父さんは返事ばっかりでだめなんですよ」
 やがて暮れも迫った頃社長辞任、N社長の仕込みの古参社員のYさんが後継として営業を続ける旨の案内がきました。
 それは1昨年の季節は忘れてしまいましたが、教えを乞うべくお願いし、高速道路も含めて片道3時間程の道中でしたが、別段用の無かった妻も一緒に同乗して行ったのです。
 私は早速仕事のことで社長様と向き合ってお話をいたしました。妻は後ろでぜんぜん分からぬ話を聞くともなく居ってくれたんですが、やがて奥様が来て「仕事のお話など聞いていてもつまらないでしょう。ちょっとね、大した所でもありませんがドライブしましょう」
 喜んで引かれていきました。
 やがて夕方近くなって話も終わり、雑段で賑わっていた頃、
 「お話終わりましたか」と奥様が。妻も「珍しいものを一杯見せて頂いてありがとうございました」更に奥様が
 「今晩泊って行きません?ちょっと美味しいお店もあるし、そう大きなお風呂もあるんですよ。一緒に食事しましょうよ。ねぇお父さん良いでしょ」
 「そうだ。泊って行ってよ。一杯やりながらお話もできるしさ」
 「ありがとうございます。そんな積りで来たわけじゃありませんので、仕事が家でも待っていますので。それよりお二人で新潟へ来て下さいよ。近くに温泉もありますし、そこで4人でお話しましょうよ」妻もしきりにお勧めして
 「新潟なんて車で行けば直ぐだもんね」
 お互い夫婦で会ったのはこれが最初で、今回のお見舞いが2回目となったのです。病室でベットに伏した主人の世話をしておられる奥様に声をおかけしたら、驚いた様子で「まぁ新潟からわざわざお出で頂いてありがとうございます。お父さん!分かるでしょ!わざわざ来て下さったのよ」虚ろな目で探るように私を見て口も少し動いているようでしたが「あぁ分かったのね。良かったね」私も妻も声を掛け、手を握り、確かめ合いました。看護婦さんが「失礼します」と入室されたので
 「ちょっと出ましょうコーヒーでも飲んでお話しましょう」
 1階のロビーに椅子とテーブルがあり、自動販売機のコーヒーを戴きながら奥様のお話をお聞きしました。子供さんは女性の二人、もう縁づいてそれぞれ家庭を持っておられるが、仕事が違ってお父さんの仕事は継いで貰えなかったこと。
 これまで今回の事を含めて4回救急車を呼んで同乗したこと。
 「でもね、今回はいきなり、持っても後2,3日って言われたんです。驚いちゃって。でもこのような状態ですけど持ちなおしたと言いますか、先生も驚いて居られました。しかし又困ったことには、これ以上の治療の方法もないし、これ以上の回復も望めないから、施設へ入れて戴きたい。要はここから出て行ってくれってことなんですよ。私が家で看護できれば良いのでしょうが、今の看護婦さんのやり方を見ていると私には出来ませんよね。と言って施設も子供たちがあちこち回ってくれましたが、空いてる所など有りません。入所待ちの予約者がどこも一杯で。たまたまちょっと熱が出まして今は言われなくなりましたが、何時までも上がりっぱなしでもないでしょう。本当にこれからどうしたら良いのか、考えてもどうにもなるもんじゃありませんが困ってるんです。でも行き場所が無ければ置いて貰うより仕方ありませんよね」
 「そうなんですよね。私の母も90歳なんですけど今は自分の事は自分で出来る一人暮らしの人をアパート形式の施設へ入れてもらって居るんですけど、先のことを考えると憂鬱になってしまいます」
 「この歳まで仕事、仕事でしょ。私も一緒に手伝って。そして金、帳簿のことも全部私。3,4年前頃から何時も言っていたんです。そうだなぁ。ゆっくりする時間も無いし、人並みに旅行もしたいしなぁ。いつも口ばっかり。それが続いてきたんでね、よし今回こそは!って帳簿を全部テーブルの上へ置いて、お父さん、私今日限り会社を辞めさせて頂きます。これからは帳簿も一切あなたが付けて下さいよ。さすがにちょっと効いたようでした。よし、分かったY君に任せて二人で辞めようって言ってくれました。私はその前に税理士さんにお話して置きましたので、直ぐ法務局や他の手続きもやって頂きました。
 そうして1カ月いろいろありましたが、とにかく決まりつきました。
 ところが今度は、前からやっていたボランテアの役員にさせられたり、他からも是非お願いしたいなんていろんな仕事っていうか役職、世話人みたいなものを頼みこまれて、人様の為になる事なら、受けちゃってこれが結構忙しいんです。でも金にもならないけど楽しそうにやっていましたね」
 「ご主人もそうだけど奥さんも誰にも好かれる方だから、頼みやすいし、話やすい、そして必ず受けて貰えるという安心感があるんでしょうね」
 一度自宅へ泊めて戴いたことがありましたが、夫婦2人には大きすぎる。部屋数も多いしやはりできれば子供が結婚したら同居してくれたら、という考えも有ったのではなかろうかとも思いましたが、田舎と違いみんな市外県外で家庭を持っておられ、時折お孫さんを連れてきてくれるのが楽しみだと言っておられました。
 お父さんが倒れてからはお母さんが看病疲れで倒れたら大変と、二人の子供たちが休日や夜でも手分けして気使ってくれていると喜んでおられ、老後の楽しみをうばわれたにも関わらず、暗さなど少しも感じられず明るく話された奥様には敬服して帰りました。
樋山忠明
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